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有色下地デッサンの技法②/デザイン・工芸科
デザイン・工芸科では、
入試課題の単なる反復練習のような授業ではなく、
生徒一人ひとりの将来に繋がる感性や表現力を高めていくために、
さまざまな授業を展開しています。
今回はその授業の1つで、
受験生にも実践しやすいようにアレンジした
有色下地デッサンのプロセスを紹介します。

①用紙を水張りする
画面全体に絵具を塗るので波打ちを抑えるために水張りします。

②エスキース&ライティング
明暗の調子が豊かに展開するように光と影を調整します。
明るく描いた部分が手前に浮き上がるので、
明暗の変化の境界が対象の中央寄りにあるようにライティングします。

③鉛筆でアタリをとる
本来は下地を作ってから描きますが、
それはなかなか難しいので、
まず鉛筆(2B~4B)で強めに描いておきます。
稜線や光と影の境を確認するために
最小限の調子(タッチ)を入れてもよいでしょう。

④水性絵具を画面全体に塗布する
下地色として紙の地が透ける程度に薄めた中暗色を均一に塗ります。
水彩絵具類(透明水彩・不透明水彩・デザイナーズカラー・
ポスターカラー)が使えますが、
アクリル絵具は後の作業がしづらいのでお勧めできません。

濃さの目安は先に描いた鉛筆が透けて見える程度です。
水性絵具に少量の墨を混ぜると透明な中暗色を作りやすく、
薄めた墨だけを用いることもできます。
ただ多少の色むらがあった方が空間感が増すので、
数色の絵具を混色してたっぷり塗るのが基本です。

有色下地デッサンの技法②/デザイン・工芸科_f0227963_16573740.jpg

























⑤パステル鉛筆および白色絵具で描き起こす(白色浮出)
作例では絵具で描き始めていますが、
慣れないうちはパステル鉛筆が使いやすいでしょう。
光が当たってはっきり明るい部分で
手前の位置から慎重に描き始めましょう。
パステル鉛筆は重ねいくと、
それ以上明るくならないように感じます。
その場合フィキサチーフで定着して白絵具に切り替えましょう。
フィキサチーフは30cm以上離して、
数回に分けて少しずつ掛けるようにすれば、
パステルの粉末が濡れたように透明になってしまうことを防げます。

有色下地デッサンの技法②/デザイン・工芸科_f0227963_16581396.jpg






















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⑥定着後に再び水性絵具を画面全体に均一に塗布する
光に照らされている部分が白色に覆われたら、
フィキサチーフで定着して全面に中暗色をのせます。
順調に進めばこの作業をせずに完成とすることもできます。

有色下地デッサンの技法②/デザイン・工芸科_f0227963_16590635.jpg

























⑦パステル鉛筆および白色絵具で描き起こす
やはりはっきり明るく光が当たっていて
手前にある部分から描き重ねます。
白色をのせる範囲が広がりすぎないように慎重に。

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⑧光の方向を意識してさらに描き起こす
日陰の部分の反射光などの弱い明るさに
白色を入れてしまうと途端に光の方向が曖昧になって
立体感が損なわれてしまうので注意。
どうしても日陰の中を描きたい場合は
黒色のコンテなどで描くこともできます。
明部=白色、
中間=地色、
暗部=黒色
と異なる画材を使うことで明中暗の3調子を
明確に意識することができます。
(黒色:コンテ社PASTEL PENCIL 09 Blackなど)

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⑨完成
明るさが形態の変化に従って、
自然な印象で下地色に連続していけば完成です。

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↓7月17日(祝・月)から夏期講習会がスタートします。

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by yozokobu | 2017-07-14 17:12 | ステップアップ・デッサン
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